乳幼児に多いブランケット症候群とは?原因と解決策
子どもの成長には様々な心配がつきものですが、中には対処に難しいものもあります。そのひとつが「ブランケット症候群」。今回はブランケット症候群の原因や解決策についてご紹介します。

01ブランケット症候群とは?
あまり聞きなれない「ブランケット症候群」という言葉。ブランケット症候群とはどのようなものなのでしょうか。
1-1ブランケットをいつも持ち歩いている
「ブランケット症候群」とは、一言でいうと気に入ったブランケット(毛布)を常に持ち歩いているという症状です。ブランケット症候群は乳幼児に現れやすい現象で、ブランケット以外にも、タオルやぬいぐるみ、枕など、特定のアイテムを肌身離さず持ち歩くという行動一般を指しています。
1-2肌身離さず執着する
ブランケットやタオル、ぬいぐるみなどは乳幼児が好むもの。それを持ち歩くぐらい大したことはないと考えがちです。また、枕などは大人でも「枕が変わると眠れなくなる」といったことも珍しくないもの。そのため、旅先にはいつも枕を持参するという人もいるほどです。しかし、家の中や旅行先だけでなく、公園などの外出先でもこれらのアイテムを手放せないのがブランケット症候群の特徴です。
もしこれらのものがない場合、眠れなくなる、極端に不安に襲われて落ち着かなくなるといったことがブランケット症候群特有の現象です。
1-3安心毛布、ライナスの毛布とも言われる
このブランケット症候群は、心理学的には「安心毛布」と呼ばれることがあります。
また、スヌーピーに登場するキャラクターで、常に青い毛布を手放さずに持ち歩いているライナスにちなんで「ライナスの毛布」とも呼ばれています。
02ブランケット症候群の症状
一見、特に大きな問題がないと考えるブランケット症候群ですが、その症状は人によって様々です。
2-1洗濯するのも嫌がる
大人でも気に入ったものを持ち歩いたり、お気に入りの洋服をよく身につけることはありますが、ブランケット症候群の場合、文字通り常に身につけていないと落ち着かなくなるのが特徴。
そのため、お気に入りの毛布を洗濯することすら嫌がるケースもあります。ブランケットやタオルケットの場合、寝る時に使用するもので、ときに毛布の端をかじるくせがある子どももいるため、親御さんにとっては衛生面の心配も生まれます。
2-2ないと寝られない
ブランケット症候群の大きな特徴は、それがないと眠れなくなるということ。もし無理やりブランケットを洗濯してしまったり、汚くなったからと同じ種類の新しいブランケットに買い替えたりすると、前とは完全に同じものでないため、精神的に不安定になり、かんしゃくを起こすこともあります。
2-3手触りや匂いを嗅いで安心する
ブランケット症候群の子どもは、ブランケットやぬいぐるみ、タオルといったものに染みついた匂いを嗅いだり、手触りによって安心を得ようとします。
そのため、洗濯などによって手触りや匂いが変わってしまうことを極端に嫌がります。
大したことがないと思うこともできますが、やはり親御さんにとっては衛生面だけでなく「精神的な成長が遅いのではないか」と不安に感じてしまうこともあります。
03ブランケット症候群になる原因
このように、子どもに現れやすいブランケット症候群。ではその原因はどこにあるのでしょうか。
3-1心理的ストレス、環境的ストレスが原因
ブランケット症候群の大きな原因は、心理的・環境的なストレスによるものとされています。
子どもは周囲の状況の変化に非常に敏感なもの。というのも、幼い子どもは自分自身だけの力では生きていけません。常に親がそばにいて守ってもらい、食事を与えてくれることが必要です。
しかし、常に親がそばにいるとは限りません。
また、家の中では安心できても、外出したときなどは、普段見ている風景とは異なるものが目に入るため、非常に大きなストレスを感じるものです。
そのときに起きるのがブランケット症候群という現象です。
3-2不安を感じるときに安心感をえる
ブランケット症候群は、様々な状況で起きる現象です。
たとえば、幼稚園や保育園に通うようになった、弟や妹が産まれてそれまでのように母親が手をかけてくれなくなったという場合、子どもにとってそれらの環境の変化は大きな不安を伴います。
つまり、子どもにとっては不安によるストレスを緩和してくれるものが必要。このとき、いつも変わらない毛布やぬいぐるみに執着が生まれ、ブランケット症候群が起きると考えられています。
3-3母親にみたてる
また、ブランケット症候群は毛布やぬいぐるみ、タオルなどを母親に見立てることによって起きるとも言われています。
というと、母親の愛情が不足していると考える方もいらっしゃるかもしれませんが、そうではありません。
というのも、赤ちゃんはもともとは母親の胎内にいた存在ですが、出産してしまうと母親とは完全に切り離されてしまいます。
その不安を和らげるものが、ブランケットやぬいぐるみ。同じを常に身の周りに置きたいという欲求がブランケット症候群であるとも考えられます。
04ブランケット症候群になりやすい年齢
それでは、ブランケット症候群になりやすい年齢というのはあるのでしょうか。
もっともブランケット症候群になりやすいのは、乳幼児の時期です。その後、子どもが幼児期から成長期を迎える頃になると、個人差はあるものの、自然に治まってくるものです。
といっても、中学生や高校生、大学生になってもブランケットやぬいぐるみを手放せないと親としては心配になるものですが、実は大人になっても同じ毛布やぬいぐるみを手放せないという人は少なくありません。
ただし、その場合でも、常に持ち歩くということではなく、寝るときだけそばに置くなど、日常生活に支障のない範囲にとどまっていくのが一般的です。
05ブランケット症候群の解決策
では、もし自分の子どもがブランケット症候群かもしれないと思ったとき、親としてはどのように対処すべきなのでしょうか。
5-1病気ではなく、成長を妨げるものでもない
ブランケット症候群に対して、親がまず知っておくべきことは、ブランケット症候群は病気ではないということ。また、ブランケット症候群だからといって成長が妨げられるというものではありません。
ブランケット症候群はあくまでも成長の一環で起きることです。
5-2無理やり辞めさせるものではなく見守ることが大切
ブランケット症候群に対しては、無理やりやめさせるのではなく、見守ることが大切です。
親御さんの中には、あまりに執着している姿を見ると、早くにやめさせたほうがよいと考える方もいらっしゃいますが、それは子どもにとっては安心できる対象を取り上げられる行為です。
一時的にブランケット症候群が収まったように見えることもありますが、深刻なトラウマになってしまうことも珍しくありません。
5-3対象物を小さくしていく
といっても、家の外にブランケットなど大きなものを持ち出されるのは困るもの。
また、幼稚園や保育園などでは持ち込みが禁止されることもあります。
そういう場合、対象物を小さくしていくという方法もあります。
子どもの了解を得たうえで、少しずつブランケットを小さくしたり、ミニチュアサイズのぬいぐるみを作るなどの工夫でブランケット症候群からの卒業を促す効果も生まれます。
06まとめ
ブランケット症候群は決して心配するものではありません。むしろ心配する親の姿のほうが子どもに不安を与えてしまうもの。大きくなれば卒業するという気持ちを忘れず、どっしりと構えておくのも親の務めです。
この講座は!プロの監修を受けています!
講座のテキスト、問題集や添削課題と共に、プロの先生によって監修されています。
古山あかり 先生
夫婦心理・家族心理講師
千葉県出身。東北大学大学院博士前期課程修了。臨床心理士と公認心理師の資格を持ち、首都圏公立学校のスクールカウンセラーや不妊カウンセリング、司法関係に携わる。神奈川県緊急支援対策チームスーパーバイザー。東京都千代田区でカウンセリングルーム「Hanacel」を運営。
70,000人以上が受講申し込みしている諒設計アーキテクトラーニングの通信講座
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- 家族心理の目的とは?
- 現代家族と家族心理学
- 家族心理学とは何か?1から丁寧に解説!
- 家族心理の発達段階
Copyright © 2021 RYO SEKKEI ARCHITECT LEARNING SCHOOL All rights reserved.
1-1ブランケットをいつも持ち歩いている
「ブランケット症候群」とは、一言でいうと気に入ったブランケット(毛布)を常に持ち歩いているという症状です。ブランケット症候群は乳幼児に現れやすい現象で、ブランケット以外にも、タオルやぬいぐるみ、枕など、特定のアイテムを肌身離さず持ち歩くという行動一般を指しています。
1-2肌身離さず執着する
ブランケットやタオル、ぬいぐるみなどは乳幼児が好むもの。それを持ち歩くぐらい大したことはないと考えがちです。また、枕などは大人でも「枕が変わると眠れなくなる」といったことも珍しくないもの。そのため、旅先にはいつも枕を持参するという人もいるほどです。しかし、家の中や旅行先だけでなく、公園などの外出先でもこれらのアイテムを手放せないのがブランケット症候群の特徴です。
もしこれらのものがない場合、眠れなくなる、極端に不安に襲われて落ち着かなくなるといったことがブランケット症候群特有の現象です。
1-3安心毛布、ライナスの毛布とも言われる
このブランケット症候群は、心理学的には「安心毛布」と呼ばれることがあります。
また、スヌーピーに登場するキャラクターで、常に青い毛布を手放さずに持ち歩いているライナスにちなんで「ライナスの毛布」とも呼ばれています。
02ブランケット症候群の症状
一見、特に大きな問題がないと考えるブランケット症候群ですが、その症状は人によって様々です。
2-1洗濯するのも嫌がる
大人でも気に入ったものを持ち歩いたり、お気に入りの洋服をよく身につけることはありますが、ブランケット症候群の場合、文字通り常に身につけていないと落ち着かなくなるのが特徴。
そのため、お気に入りの毛布を洗濯することすら嫌がるケースもあります。ブランケットやタオルケットの場合、寝る時に使用するもので、ときに毛布の端をかじるくせがある子どももいるため、親御さんにとっては衛生面の心配も生まれます。
2-2ないと寝られない
ブランケット症候群の大きな特徴は、それがないと眠れなくなるということ。もし無理やりブランケットを洗濯してしまったり、汚くなったからと同じ種類の新しいブランケットに買い替えたりすると、前とは完全に同じものでないため、精神的に不安定になり、かんしゃくを起こすこともあります。
2-3手触りや匂いを嗅いで安心する
ブランケット症候群の子どもは、ブランケットやぬいぐるみ、タオルといったものに染みついた匂いを嗅いだり、手触りによって安心を得ようとします。
そのため、洗濯などによって手触りや匂いが変わってしまうことを極端に嫌がります。
大したことがないと思うこともできますが、やはり親御さんにとっては衛生面だけでなく「精神的な成長が遅いのではないか」と不安に感じてしまうこともあります。
03ブランケット症候群になる原因
このように、子どもに現れやすいブランケット症候群。ではその原因はどこにあるのでしょうか。
3-1心理的ストレス、環境的ストレスが原因
ブランケット症候群の大きな原因は、心理的・環境的なストレスによるものとされています。
子どもは周囲の状況の変化に非常に敏感なもの。というのも、幼い子どもは自分自身だけの力では生きていけません。常に親がそばにいて守ってもらい、食事を与えてくれることが必要です。
しかし、常に親がそばにいるとは限りません。
また、家の中では安心できても、外出したときなどは、普段見ている風景とは異なるものが目に入るため、非常に大きなストレスを感じるものです。
そのときに起きるのがブランケット症候群という現象です。
3-2不安を感じるときに安心感をえる
ブランケット症候群は、様々な状況で起きる現象です。
たとえば、幼稚園や保育園に通うようになった、弟や妹が産まれてそれまでのように母親が手をかけてくれなくなったという場合、子どもにとってそれらの環境の変化は大きな不安を伴います。
つまり、子どもにとっては不安によるストレスを緩和してくれるものが必要。このとき、いつも変わらない毛布やぬいぐるみに執着が生まれ、ブランケット症候群が起きると考えられています。
3-3母親にみたてる
また、ブランケット症候群は毛布やぬいぐるみ、タオルなどを母親に見立てることによって起きるとも言われています。
というと、母親の愛情が不足していると考える方もいらっしゃるかもしれませんが、そうではありません。
というのも、赤ちゃんはもともとは母親の胎内にいた存在ですが、出産してしまうと母親とは完全に切り離されてしまいます。
その不安を和らげるものが、ブランケットやぬいぐるみ。同じを常に身の周りに置きたいという欲求がブランケット症候群であるとも考えられます。
04ブランケット症候群になりやすい年齢
それでは、ブランケット症候群になりやすい年齢というのはあるのでしょうか。
もっともブランケット症候群になりやすいのは、乳幼児の時期です。その後、子どもが幼児期から成長期を迎える頃になると、個人差はあるものの、自然に治まってくるものです。
といっても、中学生や高校生、大学生になってもブランケットやぬいぐるみを手放せないと親としては心配になるものですが、実は大人になっても同じ毛布やぬいぐるみを手放せないという人は少なくありません。
ただし、その場合でも、常に持ち歩くということではなく、寝るときだけそばに置くなど、日常生活に支障のない範囲にとどまっていくのが一般的です。
05ブランケット症候群の解決策
では、もし自分の子どもがブランケット症候群かもしれないと思ったとき、親としてはどのように対処すべきなのでしょうか。
5-1病気ではなく、成長を妨げるものでもない
ブランケット症候群に対して、親がまず知っておくべきことは、ブランケット症候群は病気ではないということ。また、ブランケット症候群だからといって成長が妨げられるというものではありません。
ブランケット症候群はあくまでも成長の一環で起きることです。
5-2無理やり辞めさせるものではなく見守ることが大切
ブランケット症候群に対しては、無理やりやめさせるのではなく、見守ることが大切です。
親御さんの中には、あまりに執着している姿を見ると、早くにやめさせたほうがよいと考える方もいらっしゃいますが、それは子どもにとっては安心できる対象を取り上げられる行為です。
一時的にブランケット症候群が収まったように見えることもありますが、深刻なトラウマになってしまうことも珍しくありません。
5-3対象物を小さくしていく
といっても、家の外にブランケットなど大きなものを持ち出されるのは困るもの。
また、幼稚園や保育園などでは持ち込みが禁止されることもあります。
そういう場合、対象物を小さくしていくという方法もあります。
子どもの了解を得たうえで、少しずつブランケットを小さくしたり、ミニチュアサイズのぬいぐるみを作るなどの工夫でブランケット症候群からの卒業を促す効果も生まれます。
06まとめ
ブランケット症候群は決して心配するものではありません。むしろ心配する親の姿のほうが子どもに不安を与えてしまうもの。大きくなれば卒業するという気持ちを忘れず、どっしりと構えておくのも親の務めです。
この講座は!プロの監修を受けています!
講座のテキスト、問題集や添削課題と共に、プロの先生によって監修されています。
古山あかり 先生
夫婦心理・家族心理講師
千葉県出身。東北大学大学院博士前期課程修了。臨床心理士と公認心理師の資格を持ち、首都圏公立学校のスクールカウンセラーや不妊カウンセリング、司法関係に携わる。神奈川県緊急支援対策チームスーパーバイザー。東京都千代田区でカウンセリングルーム「Hanacel」を運営。
70,000人以上が受講申し込みしている諒設計アーキテクトラーニングの通信講座
あなたも早速受講して、資格を取得しましょう!
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- 家族心理の目的とは?
- 現代家族と家族心理学
- 家族心理学とは何か?1から丁寧に解説!
- 家族心理の発達段階
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2-1洗濯するのも嫌がる
大人でも気に入ったものを持ち歩いたり、お気に入りの洋服をよく身につけることはありますが、ブランケット症候群の場合、文字通り常に身につけていないと落ち着かなくなるのが特徴。
そのため、お気に入りの毛布を洗濯することすら嫌がるケースもあります。ブランケットやタオルケットの場合、寝る時に使用するもので、ときに毛布の端をかじるくせがある子どももいるため、親御さんにとっては衛生面の心配も生まれます。
2-2ないと寝られない
ブランケット症候群の大きな特徴は、それがないと眠れなくなるということ。もし無理やりブランケットを洗濯してしまったり、汚くなったからと同じ種類の新しいブランケットに買い替えたりすると、前とは完全に同じものでないため、精神的に不安定になり、かんしゃくを起こすこともあります。
2-3手触りや匂いを嗅いで安心する
ブランケット症候群の子どもは、ブランケットやぬいぐるみ、タオルといったものに染みついた匂いを嗅いだり、手触りによって安心を得ようとします。
そのため、洗濯などによって手触りや匂いが変わってしまうことを極端に嫌がります。
大したことがないと思うこともできますが、やはり親御さんにとっては衛生面だけでなく「精神的な成長が遅いのではないか」と不安に感じてしまうこともあります。
03ブランケット症候群になる原因
このように、子どもに現れやすいブランケット症候群。ではその原因はどこにあるのでしょうか。
3-1心理的ストレス、環境的ストレスが原因
ブランケット症候群の大きな原因は、心理的・環境的なストレスによるものとされています。
子どもは周囲の状況の変化に非常に敏感なもの。というのも、幼い子どもは自分自身だけの力では生きていけません。常に親がそばにいて守ってもらい、食事を与えてくれることが必要です。
しかし、常に親がそばにいるとは限りません。
また、家の中では安心できても、外出したときなどは、普段見ている風景とは異なるものが目に入るため、非常に大きなストレスを感じるものです。
そのときに起きるのがブランケット症候群という現象です。
3-2不安を感じるときに安心感をえる
ブランケット症候群は、様々な状況で起きる現象です。
たとえば、幼稚園や保育園に通うようになった、弟や妹が産まれてそれまでのように母親が手をかけてくれなくなったという場合、子どもにとってそれらの環境の変化は大きな不安を伴います。
つまり、子どもにとっては不安によるストレスを緩和してくれるものが必要。このとき、いつも変わらない毛布やぬいぐるみに執着が生まれ、ブランケット症候群が起きると考えられています。
3-3母親にみたてる
また、ブランケット症候群は毛布やぬいぐるみ、タオルなどを母親に見立てることによって起きるとも言われています。
というと、母親の愛情が不足していると考える方もいらっしゃるかもしれませんが、そうではありません。
というのも、赤ちゃんはもともとは母親の胎内にいた存在ですが、出産してしまうと母親とは完全に切り離されてしまいます。
その不安を和らげるものが、ブランケットやぬいぐるみ。同じを常に身の周りに置きたいという欲求がブランケット症候群であるとも考えられます。
04ブランケット症候群になりやすい年齢
それでは、ブランケット症候群になりやすい年齢というのはあるのでしょうか。
もっともブランケット症候群になりやすいのは、乳幼児の時期です。その後、子どもが幼児期から成長期を迎える頃になると、個人差はあるものの、自然に治まってくるものです。
といっても、中学生や高校生、大学生になってもブランケットやぬいぐるみを手放せないと親としては心配になるものですが、実は大人になっても同じ毛布やぬいぐるみを手放せないという人は少なくありません。
ただし、その場合でも、常に持ち歩くということではなく、寝るときだけそばに置くなど、日常生活に支障のない範囲にとどまっていくのが一般的です。
05ブランケット症候群の解決策
では、もし自分の子どもがブランケット症候群かもしれないと思ったとき、親としてはどのように対処すべきなのでしょうか。
5-1病気ではなく、成長を妨げるものでもない
ブランケット症候群に対して、親がまず知っておくべきことは、ブランケット症候群は病気ではないということ。また、ブランケット症候群だからといって成長が妨げられるというものではありません。
ブランケット症候群はあくまでも成長の一環で起きることです。
5-2無理やり辞めさせるものではなく見守ることが大切
ブランケット症候群に対しては、無理やりやめさせるのではなく、見守ることが大切です。
親御さんの中には、あまりに執着している姿を見ると、早くにやめさせたほうがよいと考える方もいらっしゃいますが、それは子どもにとっては安心できる対象を取り上げられる行為です。
一時的にブランケット症候群が収まったように見えることもありますが、深刻なトラウマになってしまうことも珍しくありません。
5-3対象物を小さくしていく
といっても、家の外にブランケットなど大きなものを持ち出されるのは困るもの。
また、幼稚園や保育園などでは持ち込みが禁止されることもあります。
そういう場合、対象物を小さくしていくという方法もあります。
子どもの了解を得たうえで、少しずつブランケットを小さくしたり、ミニチュアサイズのぬいぐるみを作るなどの工夫でブランケット症候群からの卒業を促す効果も生まれます。
06まとめ
ブランケット症候群は決して心配するものではありません。むしろ心配する親の姿のほうが子どもに不安を与えてしまうもの。大きくなれば卒業するという気持ちを忘れず、どっしりと構えておくのも親の務めです。
この講座は!プロの監修を受けています!
講座のテキスト、問題集や添削課題と共に、プロの先生によって監修されています。
古山あかり 先生
夫婦心理・家族心理講師
千葉県出身。東北大学大学院博士前期課程修了。臨床心理士と公認心理師の資格を持ち、首都圏公立学校のスクールカウンセラーや不妊カウンセリング、司法関係に携わる。神奈川県緊急支援対策チームスーパーバイザー。東京都千代田区でカウンセリングルーム「Hanacel」を運営。
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- 家族心理の発達段階
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3-1心理的ストレス、環境的ストレスが原因
ブランケット症候群の大きな原因は、心理的・環境的なストレスによるものとされています。
子どもは周囲の状況の変化に非常に敏感なもの。というのも、幼い子どもは自分自身だけの力では生きていけません。常に親がそばにいて守ってもらい、食事を与えてくれることが必要です。
しかし、常に親がそばにいるとは限りません。
また、家の中では安心できても、外出したときなどは、普段見ている風景とは異なるものが目に入るため、非常に大きなストレスを感じるものです。
そのときに起きるのがブランケット症候群という現象です。
3-2不安を感じるときに安心感をえる
ブランケット症候群は、様々な状況で起きる現象です。
たとえば、幼稚園や保育園に通うようになった、弟や妹が産まれてそれまでのように母親が手をかけてくれなくなったという場合、子どもにとってそれらの環境の変化は大きな不安を伴います。
つまり、子どもにとっては不安によるストレスを緩和してくれるものが必要。このとき、いつも変わらない毛布やぬいぐるみに執着が生まれ、ブランケット症候群が起きると考えられています。
3-3母親にみたてる
また、ブランケット症候群は毛布やぬいぐるみ、タオルなどを母親に見立てることによって起きるとも言われています。
というと、母親の愛情が不足していると考える方もいらっしゃるかもしれませんが、そうではありません。
というのも、赤ちゃんはもともとは母親の胎内にいた存在ですが、出産してしまうと母親とは完全に切り離されてしまいます。
その不安を和らげるものが、ブランケットやぬいぐるみ。同じを常に身の周りに置きたいという欲求がブランケット症候群であるとも考えられます。
04ブランケット症候群になりやすい年齢
それでは、ブランケット症候群になりやすい年齢というのはあるのでしょうか。
もっともブランケット症候群になりやすいのは、乳幼児の時期です。その後、子どもが幼児期から成長期を迎える頃になると、個人差はあるものの、自然に治まってくるものです。
といっても、中学生や高校生、大学生になってもブランケットやぬいぐるみを手放せないと親としては心配になるものですが、実は大人になっても同じ毛布やぬいぐるみを手放せないという人は少なくありません。
ただし、その場合でも、常に持ち歩くということではなく、寝るときだけそばに置くなど、日常生活に支障のない範囲にとどまっていくのが一般的です。
05ブランケット症候群の解決策
では、もし自分の子どもがブランケット症候群かもしれないと思ったとき、親としてはどのように対処すべきなのでしょうか。
5-1病気ではなく、成長を妨げるものでもない
ブランケット症候群に対して、親がまず知っておくべきことは、ブランケット症候群は病気ではないということ。また、ブランケット症候群だからといって成長が妨げられるというものではありません。
ブランケット症候群はあくまでも成長の一環で起きることです。
5-2無理やり辞めさせるものではなく見守ることが大切
ブランケット症候群に対しては、無理やりやめさせるのではなく、見守ることが大切です。
親御さんの中には、あまりに執着している姿を見ると、早くにやめさせたほうがよいと考える方もいらっしゃいますが、それは子どもにとっては安心できる対象を取り上げられる行為です。
一時的にブランケット症候群が収まったように見えることもありますが、深刻なトラウマになってしまうことも珍しくありません。
5-3対象物を小さくしていく
といっても、家の外にブランケットなど大きなものを持ち出されるのは困るもの。
また、幼稚園や保育園などでは持ち込みが禁止されることもあります。
そういう場合、対象物を小さくしていくという方法もあります。
子どもの了解を得たうえで、少しずつブランケットを小さくしたり、ミニチュアサイズのぬいぐるみを作るなどの工夫でブランケット症候群からの卒業を促す効果も生まれます。
06まとめ
ブランケット症候群は決して心配するものではありません。むしろ心配する親の姿のほうが子どもに不安を与えてしまうもの。大きくなれば卒業するという気持ちを忘れず、どっしりと構えておくのも親の務めです。
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では、もし自分の子どもがブランケット症候群かもしれないと思ったとき、親としてはどのように対処すべきなのでしょうか。
5-1病気ではなく、成長を妨げるものでもない
ブランケット症候群に対して、親がまず知っておくべきことは、ブランケット症候群は病気ではないということ。また、ブランケット症候群だからといって成長が妨げられるというものではありません。
ブランケット症候群はあくまでも成長の一環で起きることです。
5-2無理やり辞めさせるものではなく見守ることが大切
ブランケット症候群に対しては、無理やりやめさせるのではなく、見守ることが大切です。
親御さんの中には、あまりに執着している姿を見ると、早くにやめさせたほうがよいと考える方もいらっしゃいますが、それは子どもにとっては安心できる対象を取り上げられる行為です。
一時的にブランケット症候群が収まったように見えることもありますが、深刻なトラウマになってしまうことも珍しくありません。
5-3対象物を小さくしていく
といっても、家の外にブランケットなど大きなものを持ち出されるのは困るもの。
また、幼稚園や保育園などでは持ち込みが禁止されることもあります。
そういう場合、対象物を小さくしていくという方法もあります。
子どもの了解を得たうえで、少しずつブランケットを小さくしたり、ミニチュアサイズのぬいぐるみを作るなどの工夫でブランケット症候群からの卒業を促す効果も生まれます。
06まとめ
ブランケット症候群は決して心配するものではありません。むしろ心配する親の姿のほうが子どもに不安を与えてしまうもの。大きくなれば卒業するという気持ちを忘れず、どっしりと構えておくのも親の務めです。
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ブランケット症候群に対して、親がまず知っておくべきことは、ブランケット症候群は病気ではないということ。また、ブランケット症候群だからといって成長が妨げられるというものではありません。
ブランケット症候群はあくまでも成長の一環で起きることです。
5-2無理やり辞めさせるものではなく見守ることが大切
ブランケット症候群に対しては、無理やりやめさせるのではなく、見守ることが大切です。
親御さんの中には、あまりに執着している姿を見ると、早くにやめさせたほうがよいと考える方もいらっしゃいますが、それは子どもにとっては安心できる対象を取り上げられる行為です。
一時的にブランケット症候群が収まったように見えることもありますが、深刻なトラウマになってしまうことも珍しくありません。
5-3対象物を小さくしていく
といっても、家の外にブランケットなど大きなものを持ち出されるのは困るもの。
また、幼稚園や保育園などでは持ち込みが禁止されることもあります。
そういう場合、対象物を小さくしていくという方法もあります。
子どもの了解を得たうえで、少しずつブランケットを小さくしたり、ミニチュアサイズのぬいぐるみを作るなどの工夫でブランケット症候群からの卒業を促す効果も生まれます。
06まとめ
ブランケット症候群は決して心配するものではありません。むしろ心配する親の姿のほうが子どもに不安を与えてしまうもの。大きくなれば卒業するという気持ちを忘れず、どっしりと構えておくのも親の務めです。
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古山あかり 先生
夫婦心理・家族心理講師
千葉県出身。東北大学大学院博士前期課程修了。臨床心理士と公認心理師の資格を持ち、首都圏公立学校のスクールカウンセラーや不妊カウンセリング、司法関係に携わる。神奈川県緊急支援対策チームスーパーバイザー。東京都千代田区でカウンセリングルーム「Hanacel」を運営。
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